草加すずのきクリニックのスタッフブログ

カテゴリー ‘臨床心理士ブログ’

2017年4月6日

20年ほど前、「自分探し」というものが流行していました。私の周りにも、「自分を探すため」と称して自転車で国内を転々としたり、バックパックで海外を回ったりする人たちがいましたし、そうした行動には移さないまでも、自分とはなんだろうと漠然と考える人で溢れていました。ところが、いつの頃からか、「自分などというものはないんだ」などという論調が持ち上がり、場合によっては、自分探しをする人々は、自意識過剰であるなどと批判的にみなされることまで出てきて、「自分探し」の流行は消失していきました。
変わって登場したのは、たとえばSNSなどです。「自分探し」が、日常から離れて孤立して自分と向き合うことで、「自分」というものを確立しようとしていたのに対し、今度はネットワークの結び目としての存在として自分を捉えるようになったのです。仏教に、「一切の存在は実体がなく無であり、他との縁によって生起する」という「縁起」という説がありますが、それと似ているでしょうか。まさに他者との関係によって自分が規定されるようになったわけです。
この自己意識の変化は、とても大きなものだろうと思います。自分というものに対する認識が、根本から変わってしまったわけですから。
この自己意識の変化と呼応するように、精神医学の領域にも大きな変化が訪れます。それまでは、神経症や人格障害という、いってみれば自己を確立するに際して起こってくる葛藤に由来する病が多かったのですが、いまは発達障害と呼ばれるものが爆発的に増えています。発達障害とは、「社会的なコミュニケーションの障害」や「狭くて繰り返される興味や活動」といったものに特徴づけられますが、こうした問題の背景に、「自分のなさ」、「主体のなさ」といったものがあるといわれています。
このように、心の苦しみを抱えている人々の背景には、時代とともに移り変わる自己意識の変化があると考えざるを得ません。
「自己意識」というのは、心理学にとって、中核的な概念です。以前は、心理学は、こころとはなんなのか、内省的な方法によって思考していましたが、その方法が通用しない場合が増えてきています。こころというものが、こころについて考えるだけではとらえられなくなってきているのです。そのためか、最近は心理学という学問自体、学際的になってきているように思えます。おそらくこれからも、「自分」について、それから「こころ」について、捉え方が時代とともに変わっていくのでしょう。

 

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国連が2015年に発表した、世界幸福度ランキングによれば、日本の幸福度は46位なのだそうです。この順位を高いとみなすか、低いとみなすかは人それぞれだと思いますし、そもそも幸福などというものがランキングできるのかというのは当然疑問ですので、もちろん、この結果をそのまま鵜呑みにすることはできません。けれど、この調査を見て、幸福というのはなんなのかと、考えさせられます。
日本は世界3位の経済大国だといわれています。それと比べると幸福度の結果は低いといわざるを得ません。実際日本人で、どれだけの人が「自分たちは幸福だ」と感じているのでしょうか。実感としてはそれほど多くの人は感じていないように思います。そしてこの、経済力と幸福度の差を、多くの人が感じ始めているように思えます。
日本の経済力は少し前まで2位だったのが、中国に抜かれて3位になりました。でも、世界2位の座をなんとしてでも取り戻そう、と考えている人はあまりいないのではないでしょうか。「経済力世界2位に返り咲いたからといって、それが幸福に結びつくとは限らない」と多くの人が実感しているのだと思います。
幸福度を表す指標として、ブータンのGNH(国民総幸福量)というのが有名ですが、日本でも、たとえば荒川区はGAH(荒川区民総幸福度)という指標を作って、幸福とはなにか、どうしたら人は幸福になれるのか、という問題について取り組んでいるようです。こうした動きは、経済的に成熟した日本の社会が、より深く、人間というものに目を向け始めたことを示しているようにも思えます。
我々の実践している臨床心理学は、学問でもあるため、幸福という定義しずらいものを扱うことはまれですが、それでも究極的には人間の幸福に資するためのものでしょう。そもそも、本当に幸福について考えようとすれば、人間のこころの理解は外せません。今まで、目に見えないこころという、これまた曖昧なものを扱う臨床心理学は、ある意味ではわかりにくく、社会から等閑視されがちでしたが、上にあげたような社会の動があるとすると、臨床心理学はとても重要な役割を担うことになるかもしれません。

 

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2014年7月11日

先日ふと、[心が楽になる]という本を手に取りました。
軽妙な書き方で、すっと考え方の転換を迫るものでした。
わかりやすく おもしろいなぁと思いましたが、
同時に、この本でつらくなる人もいるだろうなとも感じました。

なぜなら、心のあつかいかたや、心の変化のスピードは
人によってまったく異なるからです。

自分のペースに合わない本を手にとり、
その本の通りに心が動くと思って頑張りすぎると、無理が出てきてしまい、
余計に苦しくなったり、
うまくいかないことに更に悩む場合もあると思うのです。

1対1のカウンセリングは、本のように安価ではないですが
その人のそれまでの心の扱い方、心のペースを大切にしています。

いろんな本を読んでも、うまくいかない時、
その時は楽になるのだけど、しばらく経つとまた苦しくなってくる時、
ちょっとカウンセリングも試してみてはいかがでしょうか?

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2014年1月24日

メンタルヘルスが注目されるようになって久しいですが、今の時代“ストレス”という言葉はかなり私たちの生活に浸透しているように思います。

ところで“ストレス”というとどんなイメージが浮かびますか?

多くの人は悪いイメージが浮かび、ネガティブなものとして捉えられているのではないでしょうか。

 

この“ストレス”の捉え方が健康に影響を及ぼしているということを示す研究があります。その研究では、同じレベルのストレスを感じていても、そのストレスが健康に影響すると感じる程度が「大きい」と考える人のほうが「小さい」と考える人よりも健康リスクが高くなるという結果が出たようです。

つまり、ストレスの捉え方次第で健康状態が変わってくると考えられますね。

 

現代社会に生きる以上、ストレスは避けられないものです。

ストレスを減らす努力も大切ですが、どうしても減らすことのできないストレスに関してはそのストレス自体を「悪いもの」と考えすぎずに「自分の成長にとって必要なもの」などポジティブに解釈することで自分自身の状態を良くする助けになるかもしれません。

そうは言ってもストレスの捉え方を変えることは難しいと感じる方は、カウンセラーまでご相談ください。

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2013年9月5日

 

まだまだ暑い日が続いておりますが、そろそろ夏休みも終わり、学校や仕事に行き始めた方が多いのではないでしょうか。

休み明けで学校や仕事に行きたくないと思うと、頭やお腹が痛くなったり、体がだるくなったりすることはありませんか?

このような感覚は気のせいではなく、痛みやだるさはたしかに感じられているものですね。

このように体と心が影響し合っていることを専門用語では「心身相関」と言います。

心の状態は脳に情報が伝わり、自律神経系、内分泌系(ホルモン)を通して体に影響を及ぼします。

緊張すると心拍数や血圧が上がったり、冷や汗が出たりするのがその例です。

このようなルートで体に変化を起こすことで、心からのSOSのサインを出しています。

それによって私たちは自分の不調を感じることができます。

人間の体はとてもよくできていますね。

 

大事なのは、そのようにして体に出てきたSOSのサインに気付き、その原因がどこにあるかを考えることです。

自分自身でサインを見逃さないように日々気をつけて、どのようなことが自分の身に起こっているかを考えるクセをつけるようにするといいかもしれません。

自分だけではサインに気付きにくかったり、原因が分からない場合は周りの人に協力をしてもらったり、専門家に相談するのも良いでしょう。

 

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